アンダルシアとフラメンコ  
旅先で感じたこと


 アンダルシアの地域は、バスで走ると、乾燥した荒地が続き、広いオリーブ畑が

よく見かける。オリーブはこのような環境でもよく育つのであろう。

  瓦礫のような乾燥した荒地の台地、忽然と城壁に囲まれた白い小さな町が現れる。

家々は白く塗られ、陽を反射し町全体が白く輝いている。なんだかおとぎ話のような

景色をみているような気になる

そこはシエラネバダ山脈の万年雪が融けて地下を流れ、地上に上がり泉となって

いる場所でもあると思う。住んでいる人々は水場を大切に守っているのであろう。

城壁の中心部には更に堅固な要塞に囲まれた教会が見られる。

厳しい異民族の攻撃から守るためである。最後は教会にこもり命をかけて

戦うのである。戦いに敗れ皆殺しにあった町も少なくなかったであろう。

四面海に囲まれ、単一民族が暮らす日本では考えられないことである。

バスはミハスに到着した。


ミハスの片隅にて


 ミハスはアンダルシア地方の「白い町」として観光客に人気が高い。

ずいぶん町なかを見てまわり、歩き疲れた、町はずれでベンチに座って

一休みしながら、子供たちのボール遊びを眺めていた。

ピッチャーにキッチャーそれに2人ほどの守備陣、少人数のソフトボールで

あった、女の子の方が多い。ボールが守り陣をくぐって遠くに飛んでいった、

2人ほどが追いかけて行った。残った子供達4〜5人が集まってフラメンコを

踊りはじめた。しばらくしてボールが帰ってきた。再びボール遊びに戻った。

 なるほど、この地方では、子供のときからフラメンコに親しんでいるのだ。

ごく自然に身についているのだ。

 前のページで述べたグラナダの祭りでも、ほとんどの市民はフラメンコを踊る

ことができ、楽しんでいるのである。



セビリアにて  フラメンコ カルメンを観る

 フラメンコの本場セビリアで見よう。案内されたのは席50くらいの小さな

劇場であった。


                                                                                                 カルメンのシーン

  

出し物はカルメン。セビリアのたばこ工場で働き、そこで男性達をとりこにした

あまり素行の良くないジプシー娘カルメン。彼女を無視していたまじめな衛兵の

ドン・ホセ。しかし彼女の濃厚な誘惑に負け、婚約者も捨て、恋に溺れてしまう、

言いなりに悪の道にも手を染め、ついに悲劇の終焉。

  よく知られているビゼーのメロディーをフラメンコキターが激しく奏でる。

唄い手は苦しそうなしゃがれ声をしぼり出すように唄っている、妙に哀愁感が

漂っている。踊り手はカーネーションをくわえフラメンコ独特のきびきびした

激しいリズミカルな動きでカルメンを演じている。

 バックのギター曲のアラゴネーズやハバネラに特に強い印象を受けた。

かねがね私は、これらの曲は何だか狂気じみているに思っていた。目の前の情景を

見ていると、曲を背景にカルメンの異常なふるまい、終焉の破局を連想させる運命

的な予感、確かにここでは狂気を感じる曲であった。

フラメンコで演じられたカルメン、日本にはない異国的なセンスであった 

 


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以上2011年2月1日

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