インドの蛇使い

   笛の音に、コブラが鎌首をもたげたり,ゆらしたりする。
  テレビでは見たことがあったが、是非一度現物を見たいと思っていた。
   インド旅行中に実現する機会を得た。
  へび遣いの使う笛の形と音質やリズム・メロディーはどうやら世界共通のようである。

   ヘビの聴覚は極めて貧弱なことが一般的である、ほとんど聞こえないと思われる。
   ましてや爬虫類がへび遣いの笛の音に合わせて踊るなんてことはあり得ないと思って 
   いた。

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籠の蓋をあけると、急に明るくなり、ヘビはびっくりして、鎌首を持ち上げ威嚇態勢をとる。

威嚇態勢に入っている時に、笛を吹き、あたかもヘビが笛の音に合わせて、踊っているように見せる

ヘビが籠の中に入ろうとしはじめると、手で籠を叩いたり揺すったりして、再び威嚇態勢をとらせる。

ヘビは鎌首を高くして再び威嚇態勢をとる、よく見ているとヘビの前で笛を揺らせ、ヘビの気をひかせている。

最大の見せ場は、ヘビを手で叩き攻撃させる場面である

叩かれたヘビは、手に攻撃を加える、一見光っている時計を目掛けているようである。

このように、ヘビの習性をたくみに利用して、いかに笛の音で踊っているかを見せるのが、
ヘビ遣いの腕の見せ所ということであろう。笛の音に反応しているのではない。

 コブラを使う理由は、大きさが適当で猛毒ヘビなので人に怖れられていることと、威嚇態勢を
とったとき頚部(フード)を広げるので、パフォーマンス性が非常に高いことであろう。

 ヘビは人が考えている以上に、デリケートで、ストレスに非常に弱い動物である。
特に籠のような、自力で自由に動けない空間にとじこめられたり、威嚇態勢を長くとらせると、
食事もとれなくなり、2〜3か月で死ぬとも言われている。またこのようなコブラは、
牙を抜かれたり、毒腺を切除されたりしているという話もあり、動物愛護団体から問題に
されているという話も聞く。

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