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赤とんぼの舞わない大和芋畑

 

 アキアカネが正式名であるが、赤とんぼで親しまれている。

夏が過ぎる頃になると、中里や里に現れ集団で舞っている。

四季を愛でる日本人にとっては、特別な郷愁を思い浮かばせるイメージがある。山田耕筰作曲三木露風作詞の「あかとんぼ」は90年ほど前の曲であるが、詞と曲が素晴らしいこともあるだろうが、ずっと親しまれている。やはり日本人の心を捉えているのであろう。

 

 今の季節、赤とんぼは、付近の畑や草地でよくみかける。私宅の西隣は、大和芋畑である、ここではほとんど見ることができない。道を隔てて草むらがある、元は陸稲畑であったが今は草が伸び放題、時々草刈トラクターが走っている、その上には多く舞っている。理由は、芋畑に仕込まれた強力な農薬であると考えている。因みに大和芋は当地の名産である。

 

 私の部屋の中に、二つ並んで嵌合がよくピッタリと締まる桐の引き出しがある、一方には方眼紙やパソコンで使う用紙を、もう一方には乳鉢や絵具皿を入れてある。

時々乳鉢の方の引き出しに「銀虫」(シミと読む)が居ることがある、もう一つ引き出しには居たことがない。主に、乳鉢では胡粉(貝殻の粉末)と膠水を混ぜて擦る、絵の具皿は顔料を膠水で溶くのに使う、使い終わった時は洗って拭いて収めているが。わずかに湿気と膠が残っているのであろう、「シミ」はこのようなわずかに残っている水分と、膠分を餌に(餌はこれかどうかは不明、引き出しの外に出て動物質の繊維やゴミを摂取しているのかもしれない)住み着くのであろう。試しにこの引き出しを空にして乾燥させて見た、「シミ」は現れなかった。

 虫はほんの僅かな環境を鋭く感知すろ能力があるということである、虫の敏感さには驚嘆している。洋服ダンズに吊り下げる防虫剤は僅かでもよいだろう、もちろん人が臭いとして感知不可能であっても。

 

 言いたいことは、大和芋畑で、残留農薬が日に照らさた上昇気流に僅かながらのって拡散している。赤とんぼはこれを感知する能力を持っていて近寄らないのであろう。

 

  近郊の住民は、絶えず微量ながら農薬や除草剤を吸っていることになる。「大丈夫ですか」と問えば必ず「健康上全く問題はございません」とオーム返しで返答されるであろう。

しかし何十年も吸い続け、残留してゆくのである。安全という保証はないであろうし。また、下記のような違法行為も繰り返し発覚している。一抹の不安を持っていることは事実である。

 思えば、当地の名産である大和芋の畑で、ほとんどの農家150軒以上が日本では使用禁止となっていて、もう製造していない農薬を、値段が安くよく効くいという理由で外国から輸入したものを組織的に使い、2002年に発覚して、出荷停止・回収ということで著しく信用を落としたことがあった。
 この違法農薬の使用は、当地の大和芋農家だけではなく、全国的に大規模に行われ、発覚したことが農林水産省のホームポページで報告されている。

 その後2010年には千葉県で30軒の農家が大和芋に農薬を違法使用したことが発覚し、出荷停止・回収したことが報道された。この件については、いんば農業共同組合から2010年11月にインターネットの公式サイトで謝罪をしている、「出荷停止・回収をした、その後処置を済ませ、第三者に検査を依頼して安全が確認できた。ご安心ください」。ということであるが、どうして30軒もの大和芋農家が集団的にこのような違法行為を
6年間も行ったのか一言も述べていない。

 このようなことは、消費者にとっては組織的に行われた悪質な犯罪行為と映るであろうし、
消費者の健康のことなど全く考えていないと疑われても仕方があるまい。 
   

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春先に耕した畑に、農薬・除草剤を仕込み、地面に

しみ込ませるため、或いは飛散しないためにビニルシートで被ってゆく。

全畑をビニルシート覆い終わった状態

この状態で5月連休頃まで寝かす。

5月連休ごろ、種芋を植える。2週間ほど経つと

芽が出る。

8月、青々と生い茂る。7月に散水装置を設置、蔓が散水ノズルにはい上がって蟻塚のようである。 

ノズルから水・肥料・農薬を散布する。

11月半ばになると、芋は実り
葉は枯れる

あとは収穫を待つだけ

次回 捨てられたお地蔵さんや
庚申塚について
 2011年1月予定

大和芋の栽培を追ってみた