ホームページヘ   追伸 カテナリ曲線を解く         

- 1


ex + e-x

   2

y =

美しい自然の曲線カテナリ


 寒々とした冬の利根川を送電線が一跨ぎにしている。500メートルくらいあるだろうか。

よく見ると実に美しい曲線を描いている。カテナリ(懸垂線)と呼ばれる曲線である。

これは、天井に両端を固定して鎖を吊るしたとき自然に得られる曲線である。

カテナリの語源はラテン語の鎖に由来する。

 2月初め、この季節枯れ一色の利根川である。

あと4ヶ月経つと、きらきらと輝く新緑に変るとは想像もつかない。

 葦が主役である。古代の人々は、水辺の枯れ一色の中、力強く芽を吹き、たちまち
真っ直ぐに、たくましく伸びてゆく姿に、力強く豊かな国や地域を重ねたのであろう。

我が国の神話にも、葦を愛でる表現がよくみられる、豊葦原瑞穂の国といった具合に。

葦の茂る湿地帯は、稲が瑞々しく穂をたらしたことだろう。

古代のオリエントにおいても葦はしばしば登場している、乾燥地帯が多く、特に葦の
生える水辺には強い思い入れがあったのだろう。

葦は西日本で「ヨシ」と呼ぶ地域もある、「良し悪し」の「葦」で縁起が

良くないということで「ヨシ」と言うようになったと聞いている。

最近のNHKテレビ人気紀行番組で、琵琶湖北西を放映していたが、ずっと「ヨシ」で
とおしていた。

冬の利根川中流域 枯れ一色である
一跨ぎの送電線は美しいカテナリ曲線
を描いている

ほぼ同じ場所から撮った夏の景色
緑が輝いている

ワイフのネックレスを借用してカテナリ曲線を作ってみた。

 

  送電線の場合は、写真の固定点を延ばし、垂みを少なくした状態となっている、

  数学的には、垂みの底を原点とした時、原点(0,0) 近傍のカーブということになる。

この曲線はどのような方程式となっているのか
垂れ下がりの底を原点 (0,0) にとれば

となることが知られている

n→∞

n


1

n

e = lim  ( 1 +          )

ここで e の定義は

は収斂し、値は 2.71…… の無理数である、(円周率 3.14… のように)。
を底とした対数は自然対数とよばれ、広く用いられている。

 
 ホームページへ  タイトル目次へ

y = coshx - 1      とも書く
              ハイパボリックコサイン] と読む
             日本語では 双曲線余弦 と訳される

簡単な手法で、カテナリの方程式を導き、解いて
追伸とするつもりつもりでいる。
 タイトル目次へ  前のページヘ  次のページヘ
簡単な方法で、懸垂線の方程式を導き解いてる。
高校の数学を真面目に勉強していれば、十分理解できる範囲である。
簡単化したので、厳密さに欠ける点があり、もし大学の専門課程でテストに出された場合は100点はもらえないだろうが、まずまずの得点は得られるだろう。厳密さに欠けてのは
式 BとC である、結果は同じとなるが、展開にはもっと論理的なプロセスが必要である。
いずれ完璧と思われる方法で解いて補稿とするつもりである。

これが求める懸垂線の方程式を得る微分方程式である

     は カテナリ数と呼ばれ、定数である。

ここで、カテナリ数は、xy に関係しない単なる定数であるので、座標軸の選び方により、1 とすることが出来る。式を簡単にするため、ここでは 1 とする。


 

ρg

τ

両辺を積分すると Bから   S  =
S  =

=

この微分方程式の解法は、よく知られている。色々な方法がある。


双曲線関数の知識があれば、
一見すぐに Y を 双曲線関数に変換して解く

のが容易で手っ取り早いと気付くであろう。

これが求める方程式である2次の微分方程式となる
 e  について若干の補足をしておく


初めに述べたように e の定義は


                                  




e はもともとは対数を微分するときに導入された値である。

ここで LogX の微分を考えてみる。 微分の定義により

n


1

n

e = lim  ( 1 +          )

n→∞

 

  は ネピア数と呼ばれ、オイラーにより e と表現されるようになった。(イーと読む)
対数の底なので、ex の形でよく現れる、イーの x 乗と読む、エクスポーネンシャルとも読む。

面白いことに ex は何階微分しても ex のままである。

                                                          ホームページヘ    

 タイトル目次へ  前のページヘ  次のページヘ