空は雲一つなくどこまでも青い、透明で抜けるような無限の深さを感じさせらる。
この時期としては珍しく穏やかな陽よりである。風がなく砂ほこりが舞い上がらない為か空気が澄見切っている。今日はめったにない絶好の散歩日和である。
 利根川に向かって裏路を歩いて土手に辿りついた。360度見渡すことができる、東の下流方向は広大な関東平野に繋がっている、それ以外はぐるっと山に囲まれている。北から西に向って男体山、上毛三山の赤城山、榛名山、妙義山が、続いて見られる浅間山は麓から真っ白く雪で覆われ頂上にわずかな噴煙が認められる、東南には富士山が秩父連山の上に顔を出している、今年は特に雪が多く、これらの山々の頂上は純白に輝き、真っ青な空に映えている様は神々しく崇高ささえも感じさせられる。

 暦の上では立春が過ぎているのに春の気配は全くない。、河川敷や土手は寒々とした枯れ一色である、この殺伐とした景色から5月になるとつややかな緑一面の景色に変貌するとは信じ難い。 それにしても冷たい。昨夜は風がなく晴れ上がったので、今朝は放射冷却で特に冷え込んだのであろう。ピリッとした寒さが身を震わす。早々に帰宅の途についた。道中木々の茂みに「ヒヨドリ」がやたら目につく。かん高い搾るような大きな鳴き声をあたりに響かせ、静寂を破っている。体も大きく縄張り意識も強いので、他の小鳥は寄り付かない、一人天下のようだ、この季節小鳥達はの食べ物が極端に少なくなり里にくるのであろう。
 自宅の庭には大きく育った「山茶花」「椿」それに「柚子」がある、
山茶花続いて椿がきれいな花を大量に付ける、この季節には珍しく花を咲かせる木々である、蜜は小鳥たちの餌にもなっている。
「ヒヨドリ」も好んで食べている、小枝にぶらさがるようにして重いので撓わせながら花に嘴を刺している、縄張りの餌場を定時的に巡回しているようで、いなくなった時間帯に「メジロ」が小さな鳴き声をあげながら花から花へとせわしく飛び移り美味しそうに蜜を吸っている。

柚子の実はこの時期、汁が少なくなり、酸っぱさがなくなってくる。
驚いたことに、「ヒヨドリ」はこれを大量に食べている。豪快に嘴でつつき、実が半分になっている(写真)。食べられる部分は少ない、汁を吸っているのであろう。
毎年冬至には、近所の方々に柚子風呂にと大量に配っている、この時ほとんど残さず収穫しているが、これが分ってから小鳥たちのために残している。
晩秋に柿の残り実を食べている姿はよく見かけるが、柚子まで食べるとは気が付か
なかった。

ヒヨドリに食べられた柚子 
豪快に嘴でつつき実は半分になる。汁を吸っているのであろう
晩秋に柿の残り実を食べている姿はよく見かけるが、柚子まで食べるとは気が付かなかった

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柚子の実を食べる「ヒヨドリ」 ・・・ 冬の散歩

真冬 枯れ一色の利根川土手   送電線は綺麗な曲線(カテナリ)を描いている

夏の利根川土手 冬からは想像もつかない輝く緑へと変貌している
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