ジョウビタキ

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ジョウビタキのいたずら


 毎年秋も深まると、ジョウビタキが一羽庭にやってくる。
スズメくらいの大きさで、かわいく雄はスケッチのように綺
麗である。人にもよくなつくそうで、手渡しで餌を取りにる
ようになったという話を聞いている。 
 晩秋に、春の草花を植える準備で庭を耕したり落ち葉を
かたずけたりしていると、きまってすぐ近くまで寄ってくる。
とまってじっとこちらを見つめている。跡に虫が出ている
のが目当てである。
ひとなつこい鳥だなあといつも思っているが、それにしても
手渡しで餌を取りにくるまでよく馴らしたものだと感心して
いる。
 このようなかわいい小鳥であるが、他のジョウビタキが

近くに飛んでくると、すざまじい勢いで追い払らおうと
縄張り争いを演じている。 


ジョウビタキ  ♂   冬に来日する渡り鳥

 私の自動車は通勤に使っている、休日はほとんど一日中庭に停めている。
この時、いつもサイドミラーに小鳥の糞がたくさんかかっている、どうしてだろうとかねがね
不思議に思っていた。ある休日、いつものジョウビタキがサイドミラーの上にとまって四方を
見張っているような仕種をしながら時々ミラーに写った自分の姿に向かって、すごい剣幕で
口をあけ声を発しながら嘴攻撃をかけている、縄張り浸入者と勘違いしているのである。
しばらくして飛び去ってまた戻ってきては同じ仕種を繰り返している。ミラーにとまっている
時間が長く、この時糞をかけていたのであった。

ヤマガラも同じ行動

 そういえば随分昔、中学生時代 ,ヤマガラを飼っていた、
大好きなオノミ(注1)を与えると、ついばんで止り木に持っ
て行き、器用に両足で挟んで嘴で割って中身をおいしそうに食
べる。
祭りに大道芸人が来て、ヤマガラにおみくじをひかせる芸を
させていた、一芸終わる毎にオノミを与えていることを思い出
した。(注2)
 
 オノミを置き素早く鏡を立ててみた、すぐ取りに来たが鏡に
写った自分の姿もやはりオノミを取りに来ている他の仲間のよ
うに見えるのであろう、ジョウビタキと全く同じで、口をあけ,
すごい剣幕で声を出しながら威嚇をする、ついばもうとした瞬
間先に取られそうにそうに見えるのであろう、頭をもたげ、
何度も同じ行動を繰りかえしている、そのうちぱっとついばみ、
素早く奥の方へ飛んで行った。
 中学校時代、ヤマガラにこのようないたずらをして観察をして
いたことを思い出しつつ、ジョウビタキの行動を興味深く眺めて
いた。

ヤマガラ

ヤマガラ 留鳥 ジョウビタキと同じくらいの大きさ

1 オノミ
    大麻の種子で、直径3〜4ミリくらい、小鳥の餌用としてペットショップで入手できる。七味唐辛子の中にも入っている
        ことがある。ヤマガラの大好物である。
    茎の繊維は麻の原料に、葉は覚醒剤のマリファナである、昔はごく普通に田畑の周りや里山に生えていたが、今は厳しく
    禁止され、見られない。
    オノミは芽が出ないように熱処理をして売られている、100%輸入である。

注2 ヤマガラの芸
    合図をすると、鳥篭内の階段をのぼり、奥の祭壇の扉を開き、おみくじを一つくわえてくる。

    褒美にオノミを一つ与えていた。   



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