波照間島のアンガマ 


石垣島のアンガマは良く知られている。島内の和風レストランやお店で時々飾って
いるのが見られる。

波照間島に一人で渡った、石垣島から高速艇で1時間。海岸線の総延長15キロほど、人口550人くらいの小さな島である。自転車やバイクをレンタルして、一人でゆっくり気楽に周るつもりでいたが、7月末の太陽は高くあまりにも暑かったので、現地で冷房のきいたミニバスツアーを申しこんだ。10人程度の団体であった。

昼飯付きで、丁度これくらいの人数でほぼ満席の食事処に着いた、壁にアンガバが掛け
てあった。(写真)



波照間島の食堂に掛けられていたアンガマ
 左の歯がある方が爺(ウシュマイ)右が婆(ンミー)である。必ずペアーになっている

アンガバの面を眺めていると、能面の翁を思い浮かべた。翁は非常に洗練されて
いるが、アンガバは人くさい。
いずれも人の前に現れた神あるいは霊である。



拙作の翁面 
アンガマに比べると整った洗練された形となっている。
おそらく室町時代に能楽が生まれた時このような形に定まったのであろう

 アンガバは、盆に先祖の霊として各家の仏壇に現れ、一家の安泰・繁栄を願い、家人と酒を酌み交わし、舞ったり、問答などをするのである。

翁面は「能面展示」で述べたが、原型は、おそらく村人が鎮守の森に集まり収穫祭を行い産土神に感謝や来年の豊作、村の安泰をお願いするとき、神として現れ、村人と共に酒を酌み交わし、舞ったり、問答などしたのであろう。その時の面は、おそらくアンガマに近かったのではなかろうか。
能楽においては、翁面は他の能面と異なり別格扱いをされている。神としてうやうやしく
扱わている。やはり神なのである。

アンガマは中国雲南省あたりの少数民族がルーツという説もあるが、広く東南アジアから伝わったとして、
翁面も共通ルーツから枝分かれしたような気がしてならない。

このような想像をかきたてて、アンガマの前に席をとり、興味深く眺めながら昼食をとった。

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波照間島の泡盛「泡波」について

 インディカ米が原料の米焼酎の泡盛で、島で消費される分だけしか酒造していなく、他の島で購入することは、ほとんど不可能である。一時は幻の酒として騒がれたことがあった、今でも入手はなかなか困難な希少価値の泡盛である。

 このお食事処では、簡単な書庫のような棚に、20人くらいのボトルキープがあった。
夜は居酒屋として、島の人たちが集まるようである。キープされたボトルはすべて「泡波」であった、一見
500700ml瓶のように見えたが、観光客がこのボトルを買うことはまず不可能ということである。

 島民共同出資の小さな万屋のような売店があり、そこで観光客用の100mlの小瓶が売っている、私も本ほど味見用に購入することができたが、入手できればラッキーであると案内人の方が言っていた。

波照間島の景色2葉


  美しい珊瑚礁の海岸 西の浜   遠くに写っている島は 西表島

波照間島は日本最南端の人の住む島として知られている

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