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    部屋の窓から神社の参道がよく見えている、両側は畑や空き地に囲まれている。

   舗装道路であるが、道は狭く自動車の対向は困難である。車も人もあまり通らない。

   特に道の北側は以前は広い桑畑であったが、今は空地となっている。春先は「ヨウシュ

   タンポポ」が一面に咲き、なかなかの壮観である。秋になると背の高い草が生い茂り

   枯れる前に地主は小型トラクターを入れて草刈を行っている、一日の騒音を我慢している。

   草が枯れて残ると、消防署から火防上の問題で刈り取りの勧告が来るという話である。

    犬の散歩コースになっており、中には2〜3匹つれている人も見かける。みなさん糞袋と

   小さなシャベルを持っている。なかなかの配慮である。

   注意して見ていると、ある「おばさん」が連れている小さな犬は、毎回決まった位置に糞を

   しているようである、袋を持っているが、そのまま知らぬ顔で素通りしている。

    「おばさん」の来る時刻に合わせ私も散歩をすることにした、神社の縁に腰を掛け一服

   していると、来た来た、犬は糞をし始めた、タイミングを合わせて通りかかり、「大変ですね」

   と声をかけてみた。「おばさんはにっこりとして頷いた」、糞をし終わるまでわずかな時間で

   あったが立ち止まって眺めていた。多分仕方がなくであろうか、糞をすくって袋に納めた。

   内心「このくそじじい」とつぶやいていたかも知れない。

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意地悪爺さん三題  その一

 犬の散歩道にて
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