途上国では、枕銭の横取りにご用心




 枕銭と呼ばれるルームサービスの方をねぎらって、枕の下に金一封を置くことがある、私は、ルームの掃除人の方に届けたいと思っている。

 先進国では枕の下に置けば、掃除人の方に届くのであろうが、特に途上国ではまず届かないことがよく分った。

 アジアの途上国や奥地のホテルでは「枕銭」を置くときは、誰に差し上げたいのか、よく考えてからにした方が良い。ほとんどは目的の方に届かないと思う。やめたほうがよさそうである。



 ミャンマー旅行の時、インレイ湖の湖面に建てられたコテージに数日宿泊

 朝いつも、身を隠すように遠くの方から強い視線を送っている人がいる。 何の役割の人だろうと思っていた。

 私が、チェックアウトをするとき、大きな荷物を持って部屋をでた。両手がふさがっていたということもあったし、普通はチェックアウトの時は鍵を掛けないことがほとんどである。その人の視線を感じながら、廊下を直角に折れ見えなくなった瞬間、私は一歩戻って観察した。
その人は一目散に走って私の部屋に消えていった。枕銭を自分のものにしようという魂胆であろう。

 旅の同行者にこの話をしたところ、「そのとおりだ、だから僕はこのような土地では、絶対に枕銭を置かない、添乗員の方は心遣いですと言うが、特に日本人はいい鴨だそうである」と言われた。よく解っておられる方であった。

 気を付けて見ていると、他のホテルで全く同じ状態であった。

 

一年後ラオス旅行をしたが、やはり全く同じ状態を経験した。

 

中国では、奥地「タクラマカン砂漠横断」のツアーに参加したが、

 宿泊は僻地のこじんまりとした質素なホテルがほとんどであった。このようなホテルのロビーでは担当者がたった一人か二人でほとんどの業務を賄っていた。
 私がチェックアウトをしている時
,担当の若い女性がなんだかそわそわしているように思えた。チェックアウトを済ませた。その女性はキーを持ってすぐさま私の部屋へ走って行った。これも枕銭頂きのためであろう。

 

インドでは、その地方の一流とされる大きなホテルに泊まった。

 このようなホテルでは
枕銭の横取りはないであろう、掃除人の方に届くであろうと思っていた。しかしそうではなかった。やはり廊下の隅でホテルの制服を着て強い視線を放っている人がいた。チェックアウトのため部屋を離れた。廊下の角を曲がって私の姿が見えなくなった時を見て、部屋に駆け込んでいった。私は素早く部屋に引き返してみた。案の定、枕をはがし、枕銭を採集していた。「何をしているのだ」と言葉を掛けた、「冷蔵庫内の有料品の使用数をチェックしている」と返ってきた。「冷蔵庫はこちらだろう」と嫌味を言って部屋を出た。
私は掃除人の方に差し上げるつもりでいたが、まず実現はしないであろう。

 どうやら、インドでは客がチェックアウトでルームを離れた瞬間に、有料使用物をチェックをして、ロビーでの申請と照合するようである。つまりお客の申請を信用していないということであろうが、真偽のほどは分からない。いずれにしても枕銭を失敬する絶好の機会となるのであろう。他の途上国でも同じよだと思う。

 かくして、枕銭はこのような人たちの懐に入る仕組みとなっている。

中国の例は別として、本当にこのような見張っている人達は、マスターキーを持っているのであろうか。次の機会には、チェックアウトする時は施錠をして観察してみよう。、

 

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