珍事3題

最近、めったに体験できないような珍事3件に出くわした

 題1 歯科医で、顎が抜けた診察台隣席の患者さん。

   診察台で治療順番を待っていた時、隣席で治療中の患者さんが
    突然顎が抜けた。

 題2 海外旅行中、添乗員さんがお客さまを積み残した。

    お客様を積み残した添乗員さん 海外旅行にて

題3 パリのムーランルージュ で最前列ど真ん中の席を得た。

題1 歯科医で、顎が抜けた診察台隣席の患者さん。

 次は私の順番である、診察台で治療をまっていた。隣席で治療中の患者さんが
「アヮ・アヮ・アヮ・・・・・」といったような訳の分からぬ声を発し始めた。横を向いて眺めたところ、どうやら顎が抜けたようだ。
   医師はすぐに、手拭いを2本取り出して、両手に巻きつけ、巻きつけた手拭いを上下の歯に当て、口を引き裂くように強く力を掛けた。顔の筋肉が硬直しているほど、強い力であった。「カクッ」というような音が聞こえた。無事治まったようだ。医師は「今までに顎が抜けた経験がありますか」と聞かれた。患者さんは「はい」と答えていた。何事もなかったように治療は続けられた。

 大きな口を開いて治療を受けている最中に、顎が抜けるようなことも起こり得るのであろう。歯科の先生は、このような時の迅速な対処方法を心得て
おられ、処置されたのである。さすがだなあと思った。

 顎が抜けた時の話は聞いていたし、一回抜けると癖になると言った話も聞いていた。しかし現場に出くわしたのは初めてであった。

題2 海外旅行中、添乗員さんがお客さまを積み残した。

 専用バスで30人ほどの団体旅行だ。有名なドイツの白鳥城を見学して、国境近くのドライブインで休憩を取った。バスはスイスのグリンデルワルドを目指して出発した。途中オーストリアを経由した。オーストリアの簡単な入国・出国境検問を通過して、スイスの入国手続きを済ませた。
 到着地が近くなった頃、乗客の一人が〇〇さんご夫妻がいないと発言をした。はっとした添乗員さん、顔から血が引くのが見て取れた、真っ青になるという表現がぴったりだ。
 添乗員さんは、すぐに最後に立ち寄ったドライブインに連絡をとったが、「最後のバスがすでに出発してしまっていて、人ひとりいない」の返事であった。今日の泊先のホテルや心当たりをかたっぱしから電話を入れていたが、何の情報も得られなかった。そうこうしているうちに、バスはグリンデルワルトのホテルに着いた。皆が心配して、部屋には行かず、ロビーに集まっていた。ホテルの電話が鳴った。〇〇さんご夫妻の情報が入った。添乗員さんが、涙をながしながら説明をした。「〇〇さんご夫妻は自分たちが積み残されたこを知り、スイスに向かう日本人旅行者のバスを探した。運よくインタラーケンへ行くJTBのバスを見つけ、事情を説明して同乗させてもらった」。以上がJTBの添乗員さんのバスからの連絡であった。私たちの添乗員さんからは、〇〇さんご夫妻に、インタラーケンに着いたらすぐにタクシーをチャーターしでこちらにくるようお願いをしていた。
10数キロの距離だろう。皆がよかったよかったと安堵をして、部屋に帰って行った。

〇〇さんご夫妻は、海外旅行は経験豊富な方であった。結果が良かったからいいものを。

 私は、海外の色々な僻地も
多く旅をした、もしもこのような場所で積み残こされて、救出が遅れ、熱射や寒冷、気象の急変、体調の急変等の悪条件が重なれば、命が危なくなるようなことも起こっても不思議ではない。また途上国で、混雑を極めているような駅で長距離列車にでも積み残されたら大変なことになるだろう。このような具体的な悪条件が頭に浮かび寒気がした。
 添乗員さんも、人の子である、めったにないふとした勘違い、心のすきはあり得ることだろうが、しかしあってはならないことである。
題3 パリ ムーランルージュ で最前列ど真ん中の席を得た

南フランスを旅行した。最終地のパリで一泊、日本に帰る日程である。パリで夜、有名なモンマルトの老舗キャバレー(1889年の建設当時はナイトクラブ)「ムーランルージュ」見学を申し込んでいた。以前から一度見学したいスポットであった。

モンマルトの風景

昼間の自由時間に
モンマルトを見学
した。

大変賑やかで多くの
画家たちが、似顔絵を描いて売ったり、自分の作品を売ったりしている。

現地日本人の女性案内人に導かれながら、中に入った。この方は大変顔が利き、従業員の方々とも随分親しいそうで、添乗員さんは ラッキーだ、きっと良い席を取って下さる。と言っていた。

 

私達の案内人の方は、他の案内人や、従業員の方々に、 手をあげてニコット挨拶をしながら、私たちを一列にして、どんどん前へ進み最前列に導いた。
「ここから順番に座って下さい」
指示に従って順番に座って行った。私は丁度ど真ん中であった。びっくりした。一度に1000人近く入るのだろう、最前列・ど真ん中は確率1000分の1くらいだろうか。

モンマルトの丘を降りると、ムーランルージュがある。
夜界隈は急に賑やかになる

相変わらず日本人観光客が多い

ムーランルージュは訳すれば赤い風車となるが、多くの芸術家が足を運んだことが知られている。とくにロートレックは思い入れが強く、ここをテーマにした多くの作品が残されている、踊り子さんも多く描かれているし、興行の宣伝ポスターも引き受けていた。
芸術家達にとっては、ナイトクラブとして楽しんだのでるが、お互いの交流の場でもあったのだろう、踊り子さんとのロマンスもあったのだろう。
一度見学したいスポットであった。

 びっくりしたのは、出し物のフレンチカンカン踊りのとき、スタイル満点の綺麗な踊り子さん達は、全員上半身を曝け出していることであった、しかし、こんなものかといった感じで、何の抵抗もなかった。きびきびとした動きのラインダンスは綺麗・豪華で圧倒的な迫力であった。席が席だけに、前に迫ってきたときは思わず首を後ろにそらしたくなるようであった。

  多くの出し物の中、大きなヘビを首や体に巻きつけるショウが見られた。そのヘビは私の席から、舞台に仕込まれた水槽のようなガラス容器に入れられているのが見られた。

 ワイフをはじめ、女性たちも、ヘビのショウは気持ちが悪かったが、 踊り子さん達の胸を曝けていることについては、何の抵抗も感じなかった。「綺麗ですごくに良かった」と言っていた。

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ムーランルージュの近くに丘がある。人気スポットのモンマルトである