伊方原発運転差し止めと火山の噴火による安全性について


 平成29年12月14日 の各社朝刊に「広島高裁は13日、広島地裁の判決を覆し、運転を禁じる決定をした」

愛媛県伊方原発運転差し止めの報道が大きく掲載された。

 従来の安全基準では、地震については突っ込んだ議論を重ねてきたが、火山の巨大噴火については保留されていたように思

える。

 今回の広島高裁の決定は、一応の国家基準「原子力発電所の半径160Km圏内の火山を調査し、火砕流や火山灰の到達

した場合の影響を評価し、予め防護措置を講じること」に則り、火山の場合も、直下の断層地震と同様その安全な静止期間の

12万年〜13万年に遡って評価することを適用して、その期間巨大噴火の可能性つまり阿蘇山巨大噴火の可能性を否定

しなかったと言うことであろう。

 恐らくこの件を議論に挙げると、日本には安全な場所はほとんどないという結論に達し、現存の原発も安全とは言えない

ということになるだろう。

 

 地震については、特に直下の断層について、政府が求める安全の判断基準を再度掲げると

直下に将来活動する可能性のある活断層のないこと、「将来活動する可能性のある断層とは、後期更新世以降(12万年〜13

万年以降)の活動が否定できないものとし、必要な場合は、更に中期更新世以降(40万年前以降)まで遡って活動性を評価

すること」を要求している。

考えてみると、北京原人は50万年前とされているし、3万年前は、ネアンデルタール人が滅び、我々の直接の先祖である

ホモサピエンスに入れ代わった時代でもある。

 

私は、原発と火山噴火について、1年半前下記URLのブログで言及した。

 http://www.geocities.jp/jyyhw498/homepage-5/hp5-09GensiryokuHatsuden.htm



国家の火山についての安全基準

 「原子力発電所の半径160Km圏内の火山を調査し、火砕流や火山灰の到達した場合の影響を評価し、予め防護措置を

 講じること」となっている。

火山についても、活断層と同じ安全基準を適用すると、

後期更新世以降(12万年〜13万年以降)の活動が否定できないものとし、必要な場合は、更に中期更新世以降(40万年前)

まで遡って活動性を評価すること」になる。

 後期更新世まで遡ると、我が国の超巨大カルデラガ活動した時代が含まれる、姶良カルデラ、阿蘇カルデラ、十和田湖カル

 デラ、屈斜路湖カルデラ、洞爺湖カルデラ等々。これらのカルデラ火山は、大体10万年周期で巨大噴火が起こっている、

我が国で1万年に1回の確率で巨大噴火が起こるとされているが、これら火山が10座あるということだろう。

例えば九州の姶良カルデラと阿蘇カルデラは、10万年というスパンを考えれば、巨大噴火を起こしており、九州全土を溶岩と

火砕流で焼き尽くし、火山灰で埋め尽くす威力はあるだろう。その時は1000万人以上が亡くなるという推測もある,現在の九州

の人口は1400万人(2015年推計)とされている。

この先10万年単位のスパンで考えれば、富士山も円錐型形(コニーデ)の宿命とし巨大噴火を起こし山体崩壊を伴って

高さ3000メートルを切った火山となる可能性もあるだあろう、この時の火砕流は凄まじいものになるだろう。

 最近の大噴火の記録は、薩摩硫黄島を外輪山とした鬼界カルデラ噴火である。この時九州南部に住む縄文人は壊滅した。


 私は、裁判所がこのような議題を取り上げ判決することに若干の重荷があると感じているが、恐らく最高裁まで行くことは

確かであろう。そこでどのような判決がくだされるか非常に興味をもっている、見守りたい。

                             

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